永い言い訳

永い言い訳

感想

突然の事故で自らを支えてくれた妻を亡くした夫が、他人の子育てに逃避していく中で、妻の愛情を少しずつ認識していく物語です。

見た人誰もが、今、身近にいる人のことをちゃんと理解しているだろうか、自分は注がれた愛情に応えられているだろうか、ということを考えずにはいられなくなります。

本木雅弘演じる主人公は、かつて大ベストセラーを世に送り込んだ小説家です。

しかし今はテレビのコメンテーターが主な活躍の場です。

かつての自分と、今の自分に強いギャップと失望感を持ちながら、妻の留守中に浮気を繰り返す最低の夫を演じています。

そんな彼が、突然の事故で妻を亡くした時、いったいどんな状況に陥るのか。

そして、同じ事故で同じく妻を亡くした竹原ピストル演じるトラックドライバーの家族との親交が、彼の心をどう変えるのか、ありきたりなドラマではない物語が展開します。

監督は、「ゆれる」や「ディア・ドクター」で高い評価を獲得した西川美和。

画面の中で動く登場人物たちの心模様が、画面を通してリアルに伝わってくる映像に仕上がっています。

サスペンスドラマを凌ぐような緊張感に溢れ、登場人物たちの行く末をドキドキしながら見守ること間違いなしです。

また、本木雅弘、竹原ピストルに加えて、その他の豪華な脇役陣も見どころの一つです。

事故で亡くなる主人公の妻を深津絵理、主人公の浮気相手が黒木華、主人公を使って番組を企画するディレクターに池松壮亮と、人気実力の揃う旬な俳優が勢ぞろいしています。

話題作が並んだ2016年キネマ旬報日本映画ベスト・テンでは第5位を獲得するなど、映画評論家からも高い支持を獲得しています。

まさに、隠れた名作と言うべき作品です。