かぐや姫の物語

かぐや姫の物語

感想

「竹取物語」をベースにして2時間のアニメ作品に仕上げた高畑勲監督とスタジオジブリが描く映画で、宮崎駿作品とはおもむきが異なる独特の絵のタッチが印象的でした。

柔らかい表現で「かぐや姫」の生涯が描かれ、日本の伝統的な風景や建物の美しさと相まって独自の世界観が生み出されているような気がしました。

ストーリー的にも見どころが満載でコミカルな演出もあり、絶世の美しさを誇るかぐや姫が現世を生きるうえでの悩みなどが描かれていて美女をめぐる人々の様子は現代にも通ずるものがあります。

はじめはみすぼらしい家の両親に拾われ、だんだんと裕福になっていくかぐや姫ですが、環境の変化はありつつも育てた両親の愛情や思い出は変わらずに存在し続けるという部分も強く共感できるポイントだと思います。

大きな桜の木の下で、かぐや姫のまわりに桜が舞い散るシーンは本当に美しく、日本人の目線から見た桜の美しさを見事に表現できていると思いました。

しかもそれをアニメーションで描いているわけで、花びら1枚1枚が流れるように舞うシーンだけでも一見の価値がある作品です。

昔話のアニメ化だと思って甘く見ていましたが、日本人の文化における大切なものが多く描かれている作品で、だんだんと大河ドラマを見ているような感覚になり、切なくて感動できる作品に仕上がっていました。

日本では誰もが知っているような既存の物語を、1本の映画としてここまで昇華できるのかと感心してしまいました。